トップ > > なぜMakuraの商標を取得したのか?

なぜMakuraの商標を取得したのか?

2017年1月 1日 00:00 

English, click here.

日本の「Makura」は、国益だと思っている。だから、私は、それを独占するのではなく、それを守り、その素晴らしさをキチンと世界へ広めたい。

このブログでもいくつかはご紹介している通り、私は世界の市場を3年間ほどかけて、15か国以上見てきた。そこで気づいたことは、我々の商品だけではなく、他社の商品であっても、「Makura」は、海外にある「Pillow」とは明らかに違うということ。どのように眠れるのか、に徹底的にこだわって作られていて、
繊細で、とても素晴らしい。そして、1000年以上に及ぶ歴史的背景もある。

これを「Pillow」と一括りにしてはいけない。ひとつの文化として海外に伝えていくべきではないか。こう考えたからである。


2017年初め、それを紐解いていきたいと思う。

初めに、「Pillow」という単語の英英訳を見てみると、a cloth bag filled with soft material that you put your head on when you are sleeping. とある。「Soft material」ということは、そもそも「Pillow」は柔らかいものでなければならない。

また、「Pillow」を他の言語に訳すと、Cuscino(イタリア語)、Kissen(ドイツ語)、Kussen(オランダ語)と、綴りや響きが、どことなく「Cushion(クッション)」に似ている。

では、「Cushion」の英英訳はというと、a cloth bag filled with soft material that you put on a chair or the floor to make it more comfortable.

つまり、寝るときに使う「Cushion」が「Pillow」と呼ばれたのであって、2つは、ほぼ同義語として定義されている。要するに、「Pillow」の言語的背景としては、寝るためだけに使うものというより、「ベッドの上で使うCushion」から派生したと推測ができる。だから、背もたれにもなるし、抱きしめて使ったりもできて使い勝手がいい。

海外の寝具売り場、カタログを見てもわかる通り、彼らには「ベッドメイキング」の文化がある。ベッドルームを豪華に見せようとしたり、季節や気分によってシーツを変えたりする。これは家具の一つとして、ベッドが常に移動することなく、鎮座ましましているからであり、それは、視点を変えれば、デコレートしなければ、生活空間にフィットしないし、場合によって、他の誰かに見られる可能性があるからではないか。だから、メイキングを楽しんでいるのだろうと推測される。

翻って、
日本の「Makura」はどうだろうか。

過去の歴史を見ると、布を巻きつけた括り枕やパンヤや木綿を使ったりもしたが、木製だったり、そば殻だったり、決して柔らかいものだけではなかった。

加えて、日本には、「Futon」の文化が存在する。寝具を使わないときは畳んで押し入れの中にしまわれていて、そして、眠るときにわざわざ出してきて使うものだ。後述するが、誰に見せるわけでもなく、よく眠れるものである必要があった。(逆説的に、戦国時代、あまり深く眠れないように作られていたという話もあるが、たとえそれでも目的は眠るための道具である。)

過去、「Makura」に引き出しがついていて、自分の貴重品を入れたりもしたが、それは眠っている間に盗み取られないように防犯のためで、あくまで「眠るための道具」として長らく存在してきている。

さらに日本人にとって、「Makura」とは非常に関係が深い。枕を用いた言葉や慣用句も数多く存在するし、過去の文献にも度々、登場している。語源は諸説あるものの、魂の蔵(たましいのくら)が「たまくら」となり、「Makura」となった、とも言われている。

ヒトは睡眠中に、夢を見る。夢は、現世とあの世を魂が行き来すると言われていて、とても高尚な行為の一つだった。中国や韓国でも同じような思想があり、その魂が入るものは貴重に扱われ、豪華な装飾がされていた陶製の「Makura」もあった。これらは欧米の考えとしては、明らかに違っていると言えるだろう。


そういったそれぞれの経緯をまとめると、「Makura」と「Pillow」は似て非なりということが分かってもらえるはずだ。

将棋で例えれば、飛車が敵陣に入ったら龍と成るのと同じように、「Cushion」はベッドルームに持ち込まれて「Pillow」となったが、「Makura」は王将の如く、初めから「Makura」だった。(だからといって、「Pillow」がダメで、「Makura」が良いという意味ではない。)

その独自に発展を遂げてきた「Makura」を、私は、ぜひ世界に広めたいし、これを使うことによって少しでも多くの世界の人々に快眠(Good Sleep)を届けていきたい。

眠ることにこだわりをもって存在してきたのが、「Makura」である。枕草子は、The Pillow Bookとされているが、このタイトルでは外国人に本当の意味が伝わらないのだ。(その意味には諸説あり)

Fujiyama、Geisha、Sushi、Futon、Karaoke、Bento、Kawaii、といった言葉と同じように「Makura」が世界の共通語になる日が、きっと来る。その始まりは今年、2017年かもしれない。
本年も、なにとぞよろしくお願いいたします。

無題.png

Kitamura Makura
まくらのキタムラ
北村圭介




コメント

トップ > > なぜMakuraの商標を取得したのか?

最新のブログ記事

カテゴリー一覧

アーカイブス

商品一覧

ジムナストプラス

ジムナストプラス

72万個の枕を作り続け、72万人の寝返りを考えた結論。ジムナストプラスの誕生です。


ジムナストチャコ

ジムナストチャコ

より快適に、より簡単に、まくらの高さ調節ができる新機能を採用。消臭・抗菌効果のある炭成分も配合。


ジムナストキッズ

ジムナストキッズ

子どもの初めてのまくらに最適です。対象年齢は6歳から12歳。ぜひ、入学祝いの一品にどうぞ。


今治タオルカバー

今治タオルカバー

国内最大のタオルの産地である愛媛県今治市。そこで生まれたタオルカバー


ドライアイスカバー

ドライアイスカバー

体の熱を効果的に逃がし、吸水性が高くサラサラでヒンヤリ感が持続する特殊素材カバー


香るアロマカバー

香るアロマカバー

安眠効果のあるアロマオイルの香り。肌と髪にやさしいシルクプロテイン加工を施したカバー。


ジムナストミニ

ジムナストミニ

携帯枕に必要な要素...使い心地の良さ、コンパクトなデザイン、そして、清潔感。


その他のラインナップ





PAGE TOP
北村圭介

枕のキタムラ 北村圭介
kitamura1923


©Kitamura Japan

OHTER LINKS

  • Kitamura Japan
  • Kitamura Japan Online Store
  • 産学連携枕プロジェクト
  • MIJP
  • まくらのキタムラ