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名うて経営者の、人を育てる極意

2019年7月13日 16:10  経営

経営者の仲間10名程度で、アジアへ研修旅行に行った。

基本的にバスで移動となるため、長い時間、いろいろな話をする機会も多く、
それだけでもとても勉強になる。

70歳を超えたある経営者Aさんは、一代で上場をさせ、莫大な資産を築いたものの、
それを、子供に残すつもりは全くないという。

今は、後世に伝えるべく、若者へ積極的に投資をしている。
女に惚れるよりも、男に惚れるとタチが悪いんだよ、と笑って話す姿が印象的だ。

さて、そんな折り、「ASEAN」について話題になった時のこと。
一人がこんな話をした。彼を、Bさんとしよう。

空港の列で、右がASEAN、左はそれ以外というレーンがあって、
近くにいた老夫婦が「私たちはどっちなの?」と喧々諤々やっているのを見かけ、
その人は「(日本はASEANだろ。何をいまさら言ってるんだ)と思いましたよ。」と。
(あれ、いや、日本は、ASEANじゃありませんよ。)と思ったわけだが、
その時は、ふんふんと聞き流した。

そしたら、Aさんがこう切り返したのだ。
「そうか。あれ、ASEANって、そもそも何の略なの?」

Bさん「ん?そういえば、なんでしたっけ?」
隣にいた私がググってみたところ、「東南アジア連合」ですね。
Aさん「そうかぁ。あれ、東南アジアだから、日本入るんだっけ?」
Bさん「あ、日本、入ってなかったですね。」
Aさん「そうだね。」

会話としてはそれっきりで、別の話題になったのだが、
「この人、すごい正し方するな」と頭から離れなかった。

ASEANも知らんのか、ということは、この際、置いておいて、
Bさんの話を聞いた時点で、AさんはBさんが間違っていることに気づいていた。
ただ、頭ごなしに「あんた、間違ってるよ」とは言わない。
結果的に、Aさんが気づいて訂正したのだ。

また、空港に着くや、「タイの両替は、地下にレートのいいところがあります。」と、
両替役を買って出た人がいた。彼はタイに会社もある人物で詳しい。
もちろん我々は、それはいい情報だ、と彼に頼った。

IMG_9106.JPG


ただ、行ったきり、30分経っても一向に帰ってこない。。。
各々、wifi設定やら、メールチェックやらを済ませて待ちくたびれていると、
「列が混んでて、時間かかってすみません!」と、ようやく返ってきた。

確かにレートはよかった。
しかし、日本円にして、数百円程度の違いである。
団体で、その間、待っているのと比べ、どれほどの価値があるのか。

そんな時も、Aさんは笑顔を浮かべ、
「時間、かかったろ?悪かったな。ありがとうな。」

私の思い過ごしかもしれないが、
彼は、こんな調子の人だから、ほとんど間違いなく意図的にやっていると思う。

きっと、Bさんは、自分の間違えに「自分で」気づいたと思っているし、
両替をしに行ってくれた彼は、仲間に貢献したと思っているに違いない。

間違いを訂正するだけなら、「違うよ」といえば、カンタンだ。
しかし、プライドのある人やよかれと思っている人に対しては、どうだろう。

コミュニケーションは一方通行では成り立たない。
常に相手の気持ちになって接することが大切なのだと考えさせられた。

まくらのキタムラ
北村圭介





開発は、いつもビタースイート

2019年6月29日 11:55  快眠グッズ海外

日々、商品やサービス開発をしている。
自社案件であったり、外部からの依頼案件だったり、
大なり小なり、年間40から50アイテムは取り組んでいるのではないだろうか。

実は、これこそ、まくらのキタムラの最大の強みといえる。
気が付いたら、同じことをやれる枕メーカーは、ほとんどいなくなっていた。

20年前、下請け業100%の時代から、メーカーや小売りに「こんな商品はできないか」
原料メーカーから、「これを使って、何かできないか」「こんな人たちがいる、解決したい」
そんな依頼案件が数多く持ち込まれてきた。

それは、まるで大喜利のようだったが、常にそれに応えてきた自負がある。
工場が併設されているから、試作もすぐに取りかかり、どんどんカタチにしてきた。

さて、そんな中、どのくらいが日の目を浴びて、どのくらいが、没となるのか。
紹介する二つのニュースを聞けば、その難しさが、ひしひしと伝わってくる。
莫大な時間とコストをかけても、うまくいかないことがある。逆もまたしかりで。

畳めなかったエアリズム 全自動折り畳み機、事業解散へ


エアリズムという流行りの商品だけを畳むことができなかったために、
商品化されず、ここまでいってしまったという。

もしこれが本当だったとして、他社との協業、
出資を受けて開発を推進する難しさを露呈している。
事業規模や資本力の差も大きいだろう。
協業するパートナーのつもりが、気が付いたら金の卵を産めと言われているようなものだ。

「ひとまず発売すればいいのですが。。。」

この言葉の真意は、開発をする側として、本当に痛いほどよくわかる。
彼らの悔しさを思うと、他人事には思えない。

想いだけでは何ともならない。
それを実現するための資金、時間、ヒト、経験、あらゆる要素がかみ合ってカタチとなる。
歯ぎしりや地団太を、いつもしているものだ。
今、まさにこうなるはずではなかったことが、自社でも起こっている。。ヌグ

一方、スパイバーの方は、国家プロジェクトということが書かれていた。

「栄養成分表示」があしらわれた微生物由来のTシャツ

国の威信を背負って、失敗させられなかったのだろうか。
なぜ劣勢を盛り返して、市場へローンチできたのか、ぜひ検証してみたい。

ただ、両社の取り組みの明暗は何が要因かと考えても答えはない。
「運」という不確実で、玉虫色の要素もある。
「運」でしょう。そうとでも思っていないと。

クラウドファンディングが市民権を得て久しい。
そのメリット、デメリットはここで書かずともご存知かと思うが、
今のところ、我々が積極的に取り組んでいない理由としては、
低すぎる設定を大幅にクリアして騒いでいるエントリーが多くて距離を置いた。

光が強く当たれば当たるほど、その影も肥大していく。
きっととんでもない思いをしている人たちもたくさんいるだろう。

さて、このほど開発に10か月ほど要した枕が、アジアでお目見えになる。
コストは(しっかりと!)決められ、その中でいかに工夫して最高のものを生み出すか。
ステッチパターンによって、材料は増減するから、そこも計算に入れる。
使う素材で高さの感じ方が違う。
さらに資材の仕入れについても、あらゆる業者から厳選していく。

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そうやって、これまでの経験をフルに活かした開発案件だった。
そして、これを製造の若手主任と作り上げられたことは大きな自信に繋がる。
これこそ、モノづくりの醍醐味だ。

その形状から、「バタフライ(Butterfly)」のコードネームで開発していたが、
この度、ビューティフライ(Beauty Fly)というネーミングに決まったと聞き、ざわついた。

売れそうじゃん!

よーし、東南アジアを美しく羽ばたけ!
手に取ってくれた人たちへ美と健康に繋がる「快眠」を届けよう!

大いに期待している。

まくらのキタムラ
北村圭介





未来は不確かで、今は不安。昔はどうだ。

2019年6月18日 16:28 

新元号にもなったからかと思ったが、
国内だけでなく、世界的にもこの流れがあるようだ。

ナイキのエアジョーダンやアディダスのスタンスミス、
ツーブリッジの眼鏡だったり、スカーフなんかもグッチやシャネルといった
ラグジュアリーブランドからこぞってノスタルジックなデザインが投入されている。
任天堂のファミコンの復刻や、「スタアバックス」の企画が好調と聞く。

歴史は繰り返されるというから、さほど珍しいことではないだろうが、
実は、旧態依然、超がつくほどコンサバティブな、
我々寝具市場でもこの流れがきているという。
重い木綿の布団が売れているらしい。

最先端の動きは、やはり疲れる。
電磁波が体に影響を与えることがあるし、何よりスピードが尋常じゃない。

また、5感のうち、ほぼ視覚と聴覚に限られるのと、
嗅覚、触覚、味覚、それに、無意識にあるDNAを呼び起こす6感に訴えるものが、
安らぎを与えてくれるのかもしれない。

昔の子供は、なんていうと自分が年寄みたいだが、
棒切れ1本あれば、日が暮れるまで遊べた。
そして、その記憶は、大人になっても、カンタンに消えたりはしない。

そんなこと思いながら、そういえば、大河ドラマも前回の東京オリンピックが題材。
大河が始まって以来の近現代をテーマにした物語だが、
当然、レトロ感がそこかしこに散りばめられている。
あまり視聴率が芳しくないらしいが、個人的には毎週楽しみにしている。

そこで、こんなシーンがあった。

金栗四三とスヤが一緒に眠るシーン。
一方は、熊本にある庄屋で、一方が、下宿先である足袋屋。
ちゃんと品質の違う素材の枕を使っていた。

うむ、芸が細かいぞ、NHK。
神は細部に宿る。こういうところ、見習いたい。


【熊本の庄屋のシーン】
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【足袋屋「播磨屋」のシーン】
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話は逸れたが、Back to Basicというか、原点回帰というか、
昔なじみのものは、心に豊かさを与えるのかもしれない。

未来は不確かだ。今も不安ばかりだ。
しかし、過去は、良くも悪くも、自分の解釈でいかようにもなる。

ある意味、唯一自制できるものだし、
何より、それを経て、自分があるから、自信にもつながる。

マインドフルネスは、今の時間も含めて
起こっている事象、抱いている感情に意味づけないようだ。
私のような一般人は、そのような考え方で常時いられない。

であれば、幸せだったあの頃を思い出す、またDNAに刻まれた記憶に
身をゆだねていくという意味では、大切なことである気がする。
プラスチックがなくても、スマホがなくても、生きていけたじゃないか。
進化するだけが脳じゃない。心地のよさは理屈や数値では推し量れないのだ。

「懐かしむ」という人間だけに許された、素晴らしい感情を享受しよう。

レトロ枕、できています。
あの頃みたいに、安心してお休みいただけます。

まくらのキタムラ
北村圭介




日本の工芸品、ロンドンへ行く

2019年5月22日 17:20  MIJP快眠グッズ

GWがまだ明けない5月6日にロンドンへ行った。昨年同様、ロンドンクラフトウィークというイベントに参加するためだ。

London Craft Weekとは、今年で5回目になる、毎年5月初旬に、ロンドン市内全域で行われる工芸の祭典だ。ブランドショップ、ホテルなどを会場にして、陶磁器、ガラス、革製品や彫金、家具など「匠」の手による品の展示やワークショップなど、約200前後開催するアートイベントで、ロンドン市がスポンサーとなっているほか、V&Aや大英博物館などロンドンを代表する文化施設や、老舗百貨店フォートナム & メイソンやSelfridges、コンラン、ダンヒルなども参加し、年々とても盛り上がっている。

今回は、NPOメイド・イン・ジャパン・プロジェクト(NPO MADE IN JAPAN PROJECT, MIJP)として、一般社団法人ザ・クリエイション・オブ・ジャパン(The Creation of Japan, CoJ)と協力し合い、「Crafting Japan」と称して、正式にエントリーをした。日本のより深い伝統と文化と、新しい技・素材を知っていただき日英の文化、ビジネス交流が出来ることが目的だ。

我々MIJPの担当は、Dartmouth HouseというMayfairにある会員制クラブハウスを貸し切り、いわゆる「展示会」ではなく、素晴らしい設えの中で感度の高いロンドナーたちに商品やデモンストレーションを見てもらう。来場者の滞在時間は長く、各参加者とじっくり話をしている姿が印象的だ。デモについては撮影に余念がない人もいれば、食い入るように見る人もいた。聞けば、同じく自分も皮製品の職人だという。言語の違いがあれど、モノづくりを通して、通じ合うものがあるのだ。

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Photo:SEKI, Masakuni

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Photo:KITAMURA, Keisuke

CoJは、工芸英訳シンポジウムを大和日英基金や、それにまつわる訳語共通ルール策定オープンセッションをJAPAN HOUSE LONDONで、それぞれ開催。「工芸英訳」と言っても聞き慣れないかもしれないが、例えば、「九谷焼」を表現する英語が、いくつあるとお考えだろうか。Kutaniyaki Ceramics, Kutani-yaki Porcelai, Kutani ware,Kutani Chinaware, Kutani Ceramics, Kutani ware...もうよいでしょう。そのことについて、ジャパンハウスロンドンのWRIGHT氏のファシリテートで、ボナムズのERALE氏や、ヴィクトリア&アルバートのFAULKNER先生、根津美術館の西田先生など、日本の伝統工芸に関する、そうそうたる世界的な有識者で語りあうシンポジウムは、とても興味深かった。
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Photo:KITAMURA, Keisuke

そして、週末には、イギリス2番目、ロンドンで1番古いといわれる、チェルシー薬草園を貸し切って開催した工芸ピクニックはとても素晴らしかった。日本から持ち寄った伝統的な工芸品や料理で、参加者たちを魅了していたことは言うまでもない。

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Photo:SUGIURA, Yuki

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Photo:SEKI, Masakuni

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Photo:SUGIURA, Yuki

いずれにしても、今回の取り組みで感じたのは、イギリス人のモノづくりに対する思い、それに携わる人たちへの敬意を持っており、日本から来た我々を受け入れ、なにかを吸収しようとする姿勢には恐れ入った。また、(このイベントに参加しているからかもしないが)環境保全に対する意識は、昨年よりもさらに強まっていた。その後、NYも訪れたが、アメリカ人の比ではないくらいだ。サスティナブルを意識をしていない商品は、日本やアメリカよりももっと早く淘汰されていくように感じる。

さて、とはいえこのようなイベントの準備は、大変な困難を極めたわけで、数名の運営メンバーで、LCWや会場、輸送業者との交渉、会場レイアウトやサイン、WEBサイトもすべてお手製だ。それでもとても多くの方々にサポートをいただきながら、盛会となったことをこの場を借りてお礼をしたい。ありがとうございます 来年も取り組みとしては継続していきたいと考えているが、今はしばらく、その余韻に浸っていたいと思う。もしご興味があれば、直接、連絡をいただければ幸いです。

情報はこちらで発信していきます。

NPOメイド・イン・ジャパン・プロジェクト
代表理事 北村圭介

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Photo:SUGIURA, Yuki




平成への感謝と令和への誓い

2019年4月29日 13:30  その他

いよいよ元号が変わる。
31年前のことは、うっすらと覚えている。
小学校の低学年だった。

昭和天皇が崩御される少し前、新聞に病状が書かれていて、その時に初めて下血という言葉も知った。ただ、だからと言って、何をするわけでもなく、事の重大さを理解できず、年が明けた昭和64年1月7日、昭和天皇は御隠れになられた。

当時、よく覚えているのは、「昭和六十四年」に発行された貨幣は珍しく、それを探すくらいのことしか考えていなかったので、甚だ不謹慎だったかもしれないが、子供の考えそうなのはその程度でしかない。一般的な家庭と同じように、私の両親もそのことについて取り合分け子どもたちへ何かを伝えることはなかった。戦争経験のある祖父は、自分史の中で、昭和天皇の玉音放送に触れていたが、ザーザーと雑音が五月蠅くて何も聞こえじ。。。と記されていた。

それから30年。私もおかげさまで大学まで出させてもらい、海外へも留学でき、たくさんの人にも会うことができた。海外へ出ると、日本国の素晴らしさをいつも気づかされる。もちろんがっかりするところもあるが、それを差し引いても、海外での日本国、日本人に対する評価というか、印象は、私の知る限り、どれも突出していると言っていい。皇室に対する敬意も、外国人からの方が重く感じることがあるほどだ。

「象徴として」というお言葉を常に口にされていたが、まさにそういう存在であられようとしていたことが、今の日本の、海外からの印象に繋がっていることは間違いない。他国と比べて優れているということではなく、日本の在り方として存在する姿を否定する人などいないだろう。

一度でもお目にかかれないかと、ずっと願っていた。先日、伊勢神宮へ参られたときがチャンスと思い、何とか仕事の都合をつけて名古屋駅へ駆けつけたが、あまりの人気ぶりにお姿を拝見することはかなわなかった。残念ではあったが、仕方のないことだ。一瞬でも同じ空間におられただけでも幸せだった。

しかし、だ。
こんな奇跡があるのか。

平成31年4月19日14時50分 東京駅
関東方面での出張を終え、名古屋へ帰ろうとした、その時。


思わず、お疲れ様でした、と叫んだ。
手は震え、なぜだか涙があふれた。
なんという穏やかな空気なのだろう。

この興奮は、一生忘れないし、この幸運に心から感謝の気持ちでいっぱいになった。こちらから伺うとお目通りはかなわず、一生懸命仕事していたら、このような、まさに千載一遇の偶然に。なんとも不思議な話であるが、同時に、自身のまだやらなければならないことがあるのだと確信した。新たな天皇のもと、令和の時代は、平成と同じようか、それ以上になるよう、日本のために尽くしていく。そんな思いで、この歴史的瞬間を過ごしたい。

今回のご退位により、もう公務へは出られないとのこと。人々の前にお姿を見せられることはないのかもしれない。これまで気を張られていたお二方だから、緊張感が解けて、急に体調など崩されないよう心から祈ってやまない。まだまだお元気でいらしてほしい。

株式会社Kitamura Japan

北村圭介




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