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「YOUは何しに、AMERICAへ?」

2014年3月20日 14:02  その他

私は学生時代の多感な時期に、同級生の影響を存分に受け、感化されて、1年間、日本を離れていた。
大国、アメリカ。当時は、「語学留学」という、もっとも都合のいい理由だった。

今回、それが、「市場調査」という大義名分に代わっていた。

曲がりなりにも会社の一経営者として、約10日の間、会社を留守にするということは、
(小さい会社「だから」なのだが)それなりに結構ハードルが高い。
お客様はじめ、社内でも理解していただかなくてはいけない。

それがゆえに、自分の責任、つまり、理由ではなく、目的を達成することに執着をしていた。

実は、当初、ニューヨークの展示会に出展できるチャンスをいただいていたのだが、
運悪く、その話が一旦、頓挫してしまった、その残念な連絡を事務局からもらったのは、
早割りで手配した、キャンセルできないエアチケットが、郵送で届いたすぐ後だった。

「これじゃあ、ただの観光じゃないか。。。」

展示会がないなら行っても意味ない。
でも、(格安だけど、我々にとって)高額の自腹チケットをみすみすムダにできるのか。
それでも、やることないのに、10日も会社を空けられない。
仕事に直結しないなら、やめるべきだろう。

。。。でも、ひょっとして誰かが待っているかもしれないよ。

散々、悩んだ挙句、渡米を決断した。
それから、どうせなら全米を回ってやろう、ということで、
旅行代理店と深夜にも関わらず、あらゆる都市へ、可能な限り訪問できるようスケジュールを組み、
結局、ニューヨーク、ボストン、シカゴ、ロサンゼルスに、それぞれ宿を抑えた。

そして、15年ぶりに、アメリカの地に降りた。
DSC02055.JPG

ニューヨークでは、iPhoneを無くし(掏られた?)、落胆する心をやせ我慢で振り切って、
12時間以上も、マンハッタン中を歩き続けたし、
ボストンは、ミュージアムの展示物のすごさに圧倒され、気がつけば閉館のアナウンスを聞いた。
シカゴは、マイナス17℃の大寒波の中、体温が下らないようにとスキットルを買ってラムを飲み、
ロサンゼルスは、不慣れなバスを乗り継ぎ、マリファナの薫りが、かすかに香る車内で、
一抹の身の危険や、本当に行き先にたどり着くのかという不安を感じながら、
冷静な振りをして1時間揺られ、結局、聞いたこともない停留所に着いたりしていた。

客を迎えるお店はない。ならば行商よろしく、自分の商品(もちろん、)を抱えて、
都市から都市へ、デパートや専門店、流行っている店を片っ端から、できる限り歩き回るしかない。

正直言えば、焦りばかりだった。何を得られるのだろうか、何もできなかったらどうしようか、と、
常に、そんな恐怖感に駆られて、それが理由か、毎朝、4時には目が覚めていた。
結局、時差ぼけも治らないまま10日間はあっという間に過ぎていく。

そんな思いをしてでも、とにかくお店を回り、寝具の売り場で足を止め、穴が開くほど商品を見る。
すると、

「お前、そんな詳しく枕を見て、枕でも作るつもりか?」

そう、スタッフに声を掛けられると、
すかさず、「Yes!」と答え、持っていた袋から、枕ジムナストを取り出して説明した。

当然、そんなことは今までやったことない。
決して英語とは言いにくい、身振り手振りを交えた、しどろもどろの訳のわからない言葉で
汗をいっぱいかきながら、彼らが見たこともない枕について必死に伝えた。

ジョークのつもりで聞いた彼らは、驚いていたけれど、この変わった日本人に喜んでくれ、
バイヤーに電話してくれたり、彼らの連絡先を書いたショップカードを渡してくれたりした。

「これなら、アメリカンドリームを叶えるかもな! 幸運を! 」

その言葉には、さすがに鳥肌が立った。

今回のリサーチで、自分の中には、ソニーの盛田さんの姿がずっとあった。
誰が、自分ところの商品を一つだけ持って、何のコネクションもないところに行って売り込んだろうか。
私の知るところ、盛田さんが、その人だった。盛田昭夫 グローバルリーダーはいかにして生まれたか

彼の成し得たことは日本に計り知れないほどの経済効果をもたらし、高度経済成長の一翼を担った。
この雲泥の差を比べるのは烏滸がましいけれど、むしろそれが、私の心の支えだったのかもしれない。
なぜなら、私たちはそうではないし、なるはずがないけれど、ならないとも限らないから。
その可能性に実際、行ってみて肌身に感じ、気づくことができた。

当然、私たちのような零細メーカーなど、誰も知らない。
だから、いつまで待ってても、絶対知ってもらえない。
こちらから、ドアを叩いて、【Good Morning America】と言わなければ!

格好つけた、厚かましい言い方である。
しかし、その可能性を信じているのは、あのときのソニーも、キタムラジャパンも同じではないだろうか。
日本で培った経験やノウハウを活かした商品を、ぜひアメリカの人々にも使ってもらいたいのだ。

不眠が原因で、6兆円を超える経済損失を引き起こしている事実がある。
だからこそ、考えてほしい。私たちは、彼らに貢献できると、本気で思っている。

飾りのような、Pillowではなく、快眠できるMakuraを、届けたい。

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まくらのキタムラ
北村圭介




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