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コルチッサ・イ・ヴィーニョってなんだ?

2019年9月16日 15:22  その他企画眠り

この度、新しいブランドを立ち上げた。
新作は、2019年9月18日から23日 阪急うめだ本店 9階 祝祭広場にて開催される、
よい道具、よい器を持ってあした"工芸ピクニック"に行こうでお披露目したい。
(主催:一般社団法人ザ・クリエイション・オブ・ジャパン

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Photo by  Sugiura Yuki

ブランド名の「コルチッサ・イ・ヴィーニョ(Cortica E Vinho)」は、
ポルトガル語で、「コルクとワイン」という意味で、コンセプトは、

ワインをこよなく愛する人たちが、ワインと暮らす、新しいライフスタイルブランド

以下に、ブランドストーリーや想いを記しておきたい。
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芳醇なワインの打栓には、気密性、耐酸性、弾力性、復元性、そのどれをとっても、やはりコルクが一番優れているといえる。ただ、それだけではない。見事な手さばきで抜栓された瞬間、永い眠りから覚め、再び空気に触れたワインの染みついたコルクから漂う香り。人々の視覚や嗅覚へも訴えかけてくる。それがどれほど豊かな時間へと誘うだろうか。冒険の末に巡り合った宝箱を開けたときのようなワクワク感だ。他のものでは到底代替することができない、とても価値あるひと時となる。

コルクがワインに打たれた歴史は、400年以上前に遡る。樽で飲まれていた時代から、ガラス瓶が登場したのと時をほぼ同じくして誕生し、ワインは瞬く間に世界中へと広がった。かの織田信長公もフランシスコ・ザビエルによってポルトガルからもたらされたワインを嗜んでいたのは周知の事実だろう。そのコルクは天然素材が故に、確かに限りある資源でもある。今や世界中で良質なワインが醸造されているが、実は市場にあるコルクの70%以上がポルトガル産だ。コルクは、樫の木の仲間で生命力が強く、樹齢250年以上のものも数多く存在する。一時期、コルクの採取が環境破壊に繋がるとして、ヨーロッパで不買運動にも発展しかけたが、これは事実と異なる。なぜなら、コルクの原料は、伐採ではなく樹皮をはぐことで採取し、これを9~12年周期で順に行うからだ。つまり、どれほどコルクが使われたとしても、コルク樫の森が痩せてなくなることはない。むしろ、再生を繰り返している。

当然、使用後のコルクは廃棄されるのだが、実は東京都内のレストランだけでも1億5千本という数のワインが年間に消費されている。そこで、ふと思った。

(このコルク、これでもう役目は本当に終わりなのだろうか。。。)

さて、生地にも目を向けてみよう。コルチッサ・イ・ヴィーニョで使う生地は、上質なリネン100%だが、実は細糸の麻を紡ぐ際の残糸を再利用して織られている。そのため、ネップと呼ばれる、繊維が絡み合ってできた節(糸のかたまり)があり、生地自体の表情は決して均一ではなく不揃いだ。そして染色に、長野県塩尻産メルローワインの製造過程で発酵させた後の、廃棄されるブドウを使用する。これは「のこり染め」という特殊な染色加工技術で、不思議なことにポリエステルなど人工的な糸では染まらない。よって、風合いはとても自然味に溢れ、深みのある上質なパープルの発色に染め上げられている。

しかしながら、こういった素材を活かしたコルチッサ・イ・ヴィーニョは、よくある「環境保護を謳ったブランド」ではない。世間ではSDGsなど、地球環境と人々がどう暮らすかがよく取り沙汰される。それはそれで、大切なことであるが、今の世の中は、モノづくりに対する考え方に大きな変化が起こっている。偏った情報が流布していたり、工業化やAI化が進んだりする中で、モノづくりの在り方や価値について、改めて見直していくきっかけになれればと思う。どれだけ多くの人たちが携わり、どれだけ多くの人たちの生活を支えているのか。スクリューや合成樹脂は、手軽で安価なのかもしれないが、果たしてそれはどういうことだろうか。

「自分たちの役に立つだけのものではなく、自分以外にとっても意味のあるもの」

あえていうなら、そういった視点でこのブランドを選んでいただけると幸いだ。ただ、それ以上になく、「あ、実はこれ、こうなんだ。」という、いわば酒の肴。コルチッサ・イ・ヴィーニョはそんな存在になりたい。蘊蓄を聞いたら、「へぇ、そうなんだ。いいね。」と一言だけ言ってグラスを開け、また別のワインのコルクを抜いたら、仲間たちと「サルーッ!」と乾杯をしてほしい。

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ご協力いただいたのは、KURAKIN(クラキン)さんと、Tokyo Cork Projectさん。
まくらのキタムラが商品開発を手掛けた新しい取り組みだ。

※取り組みにご興味のある関係各所におかれましては、私までご一報お待ちしています。

まくらのキタムラ
北村圭介





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